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映像と活字


つたや通いが続いています。

ほとんど2日に一度といっていいくらい、続きが観たくて
行っているのですが、振り返ってみると、仕事や生活に
不安があるとビデオに頼りたくなることが分かってきました。

明るい、勇気がでるものをみると、励まされているようで、一時
は気持ちがよくなります。

特効薬のようなものでしょうか。

先日久しぶりに図書館に出かけて田辺 聖子さんのエッセイと
アメリカの一族の歴史を書いた小説を手にとりました。

読み始めたら、気持ちの落ち着き方が違うのです。

じんわりと身体に効いてくるというか、まるで漢方薬だなと勝手に
きめつけました。

活字の世界で生きているくせに、今ごろ気がつきました。

今の世情では両方必要なんだと。

麻生内閣の経済緊急対策を見ていると、たしかに溺れている人
にはまず浮き輪なり、ロープを投げなければいけないのでしょう
が、そのかわり借金が増えます。
野党のいう余分なものを削るというのは時間がかかるという与党
の考え方も今朝の日曜討論でわかりました。

先のことを考えたら、やはり同時にすすめるべきなのでしょうね。
# by kayareiko | 2009-04-12 16:32

私の中に眠る五歳の子供

あるセミナーに参加したことがあります。

四十六歳のときでした。

自己開発セミナーが大流行のときでしたので、三泊四日を仕事を休んで
大枚をはたいて行ってみたのです。

会場にはおよ100人あまりの20代から60代くらいまでの老若男女が
期待と不安で一杯の顔で集まってきました。

圧巻はインストラクターの指示する人物になりきってみなの前で演じるこ
とでした。およそ5分くらいだったでしょう。

私は五歳の女の子になることでした。
 
皆がよってたかって短いスカートをはかせ、髪には大きな赤いリボンをつけてくれて、
頬には丸い紅をつけて、円の真ん中に押し出されました。

真っ白になりました。

五歳の時のわたしが何をしていたかが思い出せないので、ちょうちょ、ちょうちょ、なのはに
とまれと言いながら、踊りまわったのです。やぶれかぶれでした。
 
それまで一人前の大人としてふるまっていた自分は忘れていました。というより忘れなければ
ならなかったのです。

ようやく終わった後に待っていたごほうびは思いがけないものでした。

十人以上の仲間たちが腕を組んでその上に私を乗せて揺らしながら子守唄を歌ってくれたのです。

最後にひとりひとりに賞状がわたされ、そこには「可愛いかったで賞」と記されていました。

五十代の大企業の課長さんらしい人はおむつをつけた赤ちゃんを演じさせられていましたから、まだ
私はよかったのかもしれません。



今でも気取りそうになったときは思い出します。
# by kayareiko | 2009-04-07 09:52

嫉妬すなわち憧れ



嫉妬が女性のものと思われていたのは少し前の時代でしょうか。

男性の嫉妬もなかなかのものです。女性をめぐるものばかりではなく、
出世をめぐっての争いなどは、よく目にします。

岸田 秀さんの「嫉妬の時代」を十数年前に読んだことがあります。
そこには「これからは目に見えるものではなく、人気や人望などが
嫉妬の対象になる」ということが書かれてありました。

なかなか手に入らないものですから、確かになるほどと思われる
節があります。

もうひとつ「ナチュラルさ」もあるのではないかと思うようになりました。

どこにあっても、とらわれることがなく、誰にもおもねることがない態度
というのは、とかく従来のしきたりや、人の視線を気にすることの多い
人には脅威とうつります。

私もなぜこんなに同性の嫉妬をうけるのか悩んだことがあります。

特別の美貌でもないし、仕事の話ばかりするし、もてすぎて困るということも
ないし、思い当たることといえば、自然体でふるまえるということぐらいです。

ある人から言われました。その自然さが、なりたくてもなれない人にとっては
嫉妬したくなるし、ある種の憧れにもなるのだと。

いつか心に入ってきた信条が「どうあがいても自分でしかありえない。カラスが
白鳥になれなくたって仕方がない」というあきらめであるせいなのでしょうか。
# by kayareiko | 2009-04-05 11:43

世にも奇妙な物語


久しぶりにタモリの司会による「世にも奇妙な物語」を見ました。

それぞれが秀逸なものでしたが、私が興味を惹かれたのは
「ボランティア降臨」という大竹しのぶさんと高島礼子さんという
実力派女優さんの競演するものでした。

ある家庭に突然訪れた天使のようなボランティア(大竹しのぶ
さん)によって、主婦(高島礼子さん)のあり方に疑問をなげられ、
その結果、パート勤めをやめて、自分もボランティアになってしま
うというナンセンスなあらすじでしたが、ユーモラスな中にほろ苦
さがありました。

最初にタモリが解説するボランティアの定義というのが、「本来は
戦争に志願していくことからこの言葉が生まれた」というのですが、
家庭は戦場なのかと思えて、この着想の新鮮さにおどろかされま
した。

かつてシナリオの教室に通ったことがあって、講師陣の素晴らしさに
感動したことがあります。

中でも立ち位置のことで言われた言葉があります。

例えば新聞記事で一人の青年が行きずりの老婆を殺したという事件
が報道されたとする。君たちはこの青年の立場にたって、心の履歴
を探らなければいけないというものでした。

世間の人々は多分、ほとんどが老婆に同情心を持ち、この青年を
憎むであろうが、君たちが事実の裏にあるものを表現するのであれば
青年の立場に立たなければいけないとも言われました。

人を批判したり、裁くということに慎重であれと言われたように思いました。
# by kayareiko | 2009-03-31 00:49

幸運を呼び寄せる法


数年前にある本にめぐり合いました。

「あなたは絶対 運がいい」浅見帆帆子著 グラフ社刊です。
1977年生まれといいますから、まだ若い人ですが、初版
は2001年に出され、2002年に10版なので、隠れたベスト
セラーといえます。

ちょうど、どん底にある時でした。

ある企画が頓挫し、それをとりまく環境が悪く、どうしたら
よいか途方に暮れていました。

読み進めるうちに何か力が沸いてきました。

運をよくするためにする方法はいくつか書かれていましたが、
いずれもすぐに出来そうなものばかりでした。

いつも笑顔ですごす
自分の行いをよくする
家族や友人、身近な人と円満に過ごす
その時、目の前にあることに全力を尽くす

またひとまず、掃除をしたり、道に落ちているビンや缶を拾う
といったことも添えられていました。

もちろん、これに理論的な裏ずけはされていましたが、何よりも
著者のもつ明るい、楽天的な文章が気に入り、ひとまず、ショッ
ピングカーにビニール袋を入れて、近所のごみ拾いをすることに
しました。あまり目立たないように地味な服装でネッカチーフを
かぶり、人が通らないところから始めました。

そのうち、一杯になったので、いったん家に戻ろうかと帰りかけた
時です。小学生くらいの一人の男の子がじっと見ていることに
気がつきました。

気が向いたときだけやっていたのですが、最近はあまりごみが
落ちていなくなりました。

私も少しずつ方向が見えてきて、苦労はあっても、「明けない夜は
ない」と思いながら過ごせるようになりました。今では悩み事があ
ると、まず掃除をします。
# by kayareiko | 2009-03-28 09:43